パケット(パケット通信)とは
携帯電話やスマートフォン、セルラーモデルのタブレットでデータ通信を行う際、必ず耳にするのが「パケット通信料」という言葉。「パケット料」「パケ代」とも略され、月額使用料に響く重要な要素と捉えられているようですが、そもそも「パケット通信」とは何なのでしょうか。
パケット通信とは何なのか
パケット(packet)とは、直訳すると「小包」の意。データを小包のように小さく分割して送受信する通信方法をパケット通信といいます。
パケット通信では、音声通話のように回線を占有するのではなく、複数のユーザーで同じ回線をシェアすることが可能です。近年では、災害などの不測の事態により電話輻輳(ふくそう)──電話が繋がりにくい状況──に陥った場合にも、回線を効率的に使えるパケット通信は大きな規制を受けずに使えるので見直されています。
データを小さな単位に分割して送受信できるパケット通信では、途中で通信障害が生じても代わりの回線へと自動的に引き継がれるため、移動中でもストレスなくデータ通信を行うことができます。送信されたデータは交換機の記憶メディアに一時的に蓄積されるので、エラーで止まった場合も、最初からやり直す必要はありません。
また、相手の通信環境を問わず、データを送信することができます。パケット通信の料金は、接続時間ではなく送受信したデータ量に応じて変動します。
パケット通信で使用する単位
「今月は動画を見すぎたからパケ代が心配」「月末までまだ日があるのにパケット容量が足りない」と、何かと心配の種になりがちなパケット通信量ですが、実際、1パケットでどの程度の通信が可能なのでしょうか。
パケットを情報量の単位「byte(バイト)」に換算すると、128byteになります。英数半角テキスト1文字で1バイト、全角テキスト1文字で2byte使いますので、日本語のテキストの場合は、1パケットで64文字の情報を送受信できる計算です(実際にメールの送受信をする際は、ヘッダ部分も通信量に含まれるため、64文字のメール1通=1パケットの図式は成り立ちません)。
もっとも近年では、使用したパケット通信量に応じて料金が加算される従量課金制ではなく、パケット定額サービスが主流となっているため、パケットという単位で通信料を概算する機会は減少傾向にあるようです。
代わりに使われているのが「KB(キロバイト)」「MB(メガバイト)」「GB(ギガバイト)」といった単位。パケット通信量のボリューム感を確認する上では、以下の変換法が役に立ちます。
1KB=1,024byte(=8パケット)
1MB=1,024KB=(8,192パケット)
1GB=1,024MB=1,048,576KB(=8,388,608パケット)
パケット通信量を節約するには?
パケット定額サービスに加入している場合、テキストメールや無料通話アプリなどの文字によるトークに関しては、たとえ500文字送っても数KBの使用で収まるため、さほど敏感になる必要はありません。
一方、パケット通信量を大量消費するのが、動画コンテンツの視聴やビデオ通話の使用。1分間で3~5MB(※解像度などに応じて前後あり)を消費するため、1GB程度の定額サービスでは、わずか1日で容量不足に陥ることも。また、ゲームやSNSアプリの中にも大容量のデータ通信を必要とするものが存在しますし、楽曲や電子書籍のダウンロード、高画質画像のやり取りにも注意が必要です。
動画の閲覧やビデオ通話はWi-Fi環境で行う、4G環境下では低画質モードに切り替え通信量を節約する、などしてパケット通信量を節約するといいでしょう。