IPアドレスとは
IPアドレスは、ネットワークを利用する上での“住所”のようなもの。「.(ドット)」で4つに区切られた数字(※現在、主に使われているインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)の場合)により、PCはもちろん、ルーターやスマートフォン、プリンタやテレビに至るまで、個別にIPアドレスが割り当てられています。これらはどのような役割を担っているのでしょうか。
IPアドレスとは何なのか
IPアドレスとは、「Internet Protocol Address」の略。TCP/IPという通信プロトコル(※ネットワーク上で通信するための規約や手順の集合のこと)で行われるインターネットで、接続されている個々の機械が、誰の、どの端末なのかを“識別するための数字”を意味します。IPアドレスは、インターネットへの接続や同じネットワーク上にあるPC間で通信する場合には必ず必要となり、「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の2種類に分類されます。
グローバルIPアドレスとは、インターネットにアクセスする際に使われるIPアドレスのこと。プロバイダなど、インターネット接続サービスを運営する組織が管理し、それぞれの契約者へと割り振っています。グローバルIPアドレスには、回線を切断してもIPアドレスが変わらない「固定IPアドレス」と、空いているIPアドレスに自動的に割り振られる「動的IPアドレス」があり、契約時に選ぶことができます。同時刻に同じグローバルIPアドレスが存在することはありません。
プロバイダなどの接続サービス業者から割り当てられるグローバルIPアドレスに対し、プライベートIPアドレスとは、自宅や会社で組まれたネットワーク内の機器を識別するアドレスのこと。「ローカルIPアドレス」とも呼ばれています。
たとえば、自宅で契約しているプロバイダが1社の場合、割り振られるグローバルIPアドレスも1つとなります。ルーターを経由すれば複数のPCやタブレットなどで同時にインターネットへのアクセスが可能となります。このとき、各端末に割り振られるのがプライベートIPアドレスです。
なお、同じネットワーク内でプライベートIPアドレスが重複することはありませんが、異なるネットワークでは同じプライベートIPアドレスの使用も可能です。
IPアドレスの割り当ては無限に広がるWeb上の目印
東京都在住の「山田さん」を探すのに時間がかかるように、インターネット空間が広がり、無限とも思える機器が接続されている現在は、目的とするHPや機器を名前(MACアドレスといいます)だけからにアクセスしようとしても、大変な時間がかかります。そこで、住所であるIPアドレスが役に立ちます。この機器は●●区の○○町あたりから接続されているという情報があることによって、接続までの時間を大幅に短縮することができるわけです。
また、インターネットを介して犯罪が行われた場合、手がかりになるのは、アクセス履歴としてサーバ上に残されたIPアドレス。プロバイダやサーバの管理者には個人情報の保護義務がありますので、そう簡単に情報が明かされたりはしませんが、弁護士や警察が発信者情報開示請求をすることで、IPアドレスから個人が特定される場合があります。
外出先から自宅や会社のネットワークにアクセスする場合、IPアドレスが重要な役割を果たします(基本的には固定IPアドレスが必要)。
プライベートIPアドレスの重要性を実感できるのは、複合機でスキャンしたデータを自分のPCで受け取る時でしょう。出力するデータを送るだけなら、「DHCP」による自動割り当てでも問題ないかもしれませんが、複合機から個人のPCへ送る場合は、宛先指定が不可欠。こうした環境下では、プライベートIPアドレスの手動設定を行います。
IPアドレスの確認法
プライベートIPアドレスの場合、Windows PCとMacintosh(Mac)では調べ方が異なります。
Windowsの場合、コマンドプロンプトを起動し、「ipconfig/all」と入力すると、「IPv4アドレス」としてプライベートIPアドレスが表示されます。「デフォルト ゲートウェイ」はルーターのIPアドレスです。コントロールパネルから確認することもできますが、OSのバージョンによって若干異なるため、ここでは割愛します。
Macでは、「システム環境設定」から「ネットワーク」を選択することで、IPアドレスやルーターのアドレスの確認が可能です。
グローバルIPアドレスを確認する場合は、Webのサービスが役に立ちます。ブラウザで「グローバルIPアドレスを調べる」と打ち込んで検索すると、接続中のグローバルIPアドレスを調べるサイトが複数ヒット。アクセスするだけで、グローバルIPアドレスが調べられます。サイトによっては、プロバイダ名や使用OS、モニタサイズなどの環境も瞬時に検出できる場合があります。