IMEIとは
携帯電話やデータ端末には、それぞれに国際的な識別番号がつけられています。そのうちのひとつである「IMEI」は、利用者が増えているMVNOの格安SIMを中古の端末で使う場合などに重要な役割を果たします。いったいどういったことに使われる番号なのでしょうか。
IMEIとは何なのか?
IMEIとは、「International Mobile Equipment Identifier(国際移動体装置識別番号)」の略で、1台1台の携帯電話やデータ通信端末に付与される国際的な識別番号のことです。
IMEIは、端末を製造したメーカー・機種・原産国・シリアル番号・IMEIが正しいものであることを検証するための文字「チェックディジット」を組み合わせた15桁の数字からなっています。そのうち、1~6桁目は端末を製造したメーカーと機種の固有番号「TAC(Type Approval Code)」、7~8桁目は原産国番号「FAC(Final Assembly Code)」、9~14桁目は個体に割り振られたシリアル番号「SNR(Serial number)」、15桁目はチェックディジット(Check Digit)となっています。
IMEIは何に使われている?
IMEIは、国ごとに扱いは異なりますが、主に盗難をはじめ不正に取得された端末の接続拒否や機能停止に利用されています。
IMEIは端末に紐づけられている番号ですので、利用者(契約者)を特定するものではありません。そのため、IMEIを用いるシステムでは、USIMカード(※契約者情報などを保存しているICカードのこと。SIMカード第3世代(3G)用に機能拡張したもので「UIMカード」とも)に記録されている国際的な加入者識別番号「IMSI(International Mobile Subscriber Identity〈国際移動体加入者識別番号〉)」と、セットで用いられることが多くあります。IMEIやIMSIは、有料コンテンツのデータ保護(著作権保護)のためなどにも使われます。
また、中古の携帯電話を購入する際などに、その端末が「赤ROM」かどうかを確認する場合にもIMEIが使われます。
赤ROMとは、購入代金の不払いがあったり盗難などで不正に取得されたりして、キャリアからネットワーク利用制限がかけられ、利用停止にされた端末のことです。このような端末の中には、電波感度を示すアンテナのマークが赤く表示されるものもあり、そこから赤ROMと呼ばれるようになったと言われています。
赤ROMに正規のSIMカードを挿したとしても、基本的には通信、通話ともできません。購入した時点では正常に機能していた中古のスマートフォンが、その後ネットワーク利用制限がかけられて赤ROMとなり、突然使えなくなるというケースもしばしば見られます。
一度ネットワーク利用制限をかけられてしまうと、端末の利用制限は原則解除されないということもあり、泣き寝入りする購入者が出ていることから、中古端末市場やインターネットオークションなどでは赤ROMが問題視されています。
このような状況から、キャリア各社はネットワーク利用制限がかけられている端末かどうかを、IMEIを使って確認するためのWebサイトを用意しています。MVNOの格安SIMを中古のスマートフォンで使うため、中古端末を購入する際には、以下のサイトに端末のIMEIを入力して利用制限状況を確認しましょう。
IMEIの確認方法は?
一部を除く多くのAndroid端末では、以下の2つの方法でその端末のIMEIを確認することができます。
(1)製品シールで確認する方法
端末の裏のカバーを開けて電池パックを外すと、製品シールが貼ってあります(直接刻印されているものもあり)。その製品シールに書かれているもののうち、15桁の番号がIMEIとなります。「IMEI」または「製造番号」(「製」と省略しているものもあり)という文字の後ろに書かれていることが多いようです。この確認のため、電池パックの取り外しと取りつけを行う際には、必ず電源を切りましょう。
(2)通話ダイヤル画面で確認する方法
端末の電源を入れ、ダイヤル画面を呼び出します。そこで「*#06#」と入力すると、IMEI(製造番号)が表示されます。