GPS/位置情報とは
大人気の「ポケモンGO」をプレイするときにも欠かせない「GPS」。人工衛星を利用して位置情報を割り出すこのシステムは、現在さまざまな場面で活用されているものです。どのようなシステムなのでしょうか。
GPS/位置情報とは何なのか?
GPSとは、人工衛星から発信される電波を利用して、受信機の地球上の位置を測定するシステムのことです。「Global Positioning System」の略で、日本語では「汎地球測位システム」、または「全地球測位システム」などとも表記されます。
もともとアメリカ合衆国が軍事用に開発したシステムを民間に開放したもので、緯度、経度、高度といった位置情報を割り出せます。また、受信機の移動速度を求めることも可能です。
測量、航空や航海、カーナビゲーションシステムなど、GPSは現在、軍事用以外にも世界中で広く一般に使われています。GPSの受信機は比較的小型で携帯性に優れていることから、登山や旅行などに使われる専用端末も登場。デジタルカメラやフィーチャーフォン、そしてスマートフォンにも搭載され、取得した位置情報を地図や写真などに反映させるなど、活用の幅が広がっています。
どのようにして測定しているのか
GPSでは、原子時計内蔵のGPS衛星(NAVSTAR衛星)から時刻情報などを含む電波が発信された時間と、それらが受信機に到達する時間の差によって位置を測定します。
アメリカの国防総省が管理しているGPS衛星は、高度約2万kmの6つの地球周回軌道上にそれぞれ4つ以上、現在は24個以上が配置されており、約12時間の周期で地球を回っています。GPSの受信機は、複数のGPS衛星から発信された電波を受信して、現在位置を測定します。3つの衛星から電波を受信すると緯度と経度を、4つの衛星から電波を受信するとそれらに加えて高度も、数m~数十mの誤差という精度で割り出すことができます。
また、大半のスマートフォンには、「A-GPS」という技術も使われています。A-GPSとは、「Assisted Global Positioning System」の略で、「アシスト型GPS」とも呼ばれています。その名のとおり、携帯電話のネットワークを使って計測できる位置情報を、GPSの位置計測アシストとして利用する技術のことです。
GPSは地球上空の衛星と通信しているため、情報の取得にはどうしてもタイムラグが発生します。また、屋内など電波が届きにくい場所では測位できないこともあります。
A-GPSでは、地上の携帯電話基地局と端末との間で行われているデータ通信を利用して端末のおおよその位置情報を取得。その位置情報から逆算して、測位可能なGPS衛星を判断します。GPSからは建物内等でも取得しやすい時刻情報を得るだけで、最短数秒で高精度の測定ができるのです。屋外では5~10m、屋内でも窓際などであれば20m程度の誤差で測位できます。
その一方、A-GPSは基地局とのデータ通信が必要なことから、圏外の場所では利用できません。また測位する際には基本的にパケット料金がかかってしまうというデメリットもあります。
どのような状況で役に立つのか
自分が現在いる場所の位置情報を確認できるほか、GPSの機能を使えば対応端末や対応端末を持っている人を追跡できることから、端末の紛失や端末を持っている人と連絡が取れなくなったときなどに役立ちます。
また、スマートフォンでは、ルート検索などのナビゲーションサービスをはじめ、GPSで取得できる位置情報を活用するためのアプリも数多くあります。たとえば、世界中でプレイされ、社会現象にまでなっている大人気スマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO(Pokemon GO)」。位置情報を利用して屋外でポケモンを探すこのゲームにはGPSが欠かせません。
MVNOの格安SIMを使っていると、利用しているスマートフォンによってはポケモンGOがうまく動作しない場合があるといわれています。それはMVNOのSIMカードの問題ではなく、以下の2つのケースが考えられます。
1つ目は、使っているスマートフォンの仕様がアプリの動作条件を満たしていない場合で、アプリのインストールができなかったりARモードが正常動作しなかったりします。NifMoでは、ホームページで「NifMo端末Pokemon GO(ポケモンGO)動作確認状況」を掲載しています。ポケモンGOをダウンロードする前に確認しましょう。
2つ目は、GPSがうまく機能しない場合です。SIMフリーのスマートフォンでは主にGoogle位置情報サービスを使うため、GPSの機能に問題はありません。しかし、キャリア端末のスマートフォンでは、キャリアとの契約がないことから携帯電話基地局とのデータ通信ができず、A-GPSが機能しません。GPSの機能だけとなることから、位置情報の取得に時間がかかったり測位できなかったりすることがあり、注意が必要です。
GPS機能を付けっぱなしにしておいたときの欠点
GPS機能は任意でon/offを切り替えることができます。常時onにしていることに不都合はあるのでしょうか。まず、バッテリーの消耗が速くなるといわれています。また、GPSで得た位置情報を利用するサービスを使うとパケット料金がかかります。なかにはバックグラウンドで位置情報を定期的に測位するアプリもあるので、普段あまり使用しないアプリについては、GPSをオフにしておくとよいでしょう。