周波数帯(バンド)とは
スマートフォンや携帯電話が使用する電波は、「周波数帯(バンド)」と呼ばれる区分けで分類されています。区分けは国(総務省)によって定められ、さまざまな電波が混信しないよう、交通整理を行っていると考えればわかりやすいでしょう。通信速度や安定性に影響を与えるという「周波数帯(バンド)」について見ていきましょう。
周波数帯(バンド)とは何なのか??
周波数帯とは電波の周波数の範囲、つまり“通り道”のようなもので、周波数帯ごとに特性が異なります。
各種の電波は特性から、超長波、長波、中波、短波、超短波、極超短波などに分けられます。スマートフォンを含む携帯電話の電波は極超短波(UHF)と呼ばれ、テレビ放送や警察無線、列車無線、タクシー無線などにも使われています。直進性が強く、多少の山や建物の陰にも回り込んで伝わり、小規模な送受信設備でも通信できることから、幅広い分野で利用されている電波です。
こうした各種の電波は、さらにさまざまな周波数帯で区分けされています。どの周波数帯も全国を網羅しているわけではなく、都市部、地方、山間部など、地域によって使われる周波数帯が異なります。
周波数帯(バンド)の違いとは?
スマートフォンや携帯電話に使われる「LTE」や「3G」という通信規格も、いくつかの周波数帯に区分けされています。各キャリア(携帯電話会社)は複数の周波数帯に対応しているので、どれかひとつの周波数帯だけでも電波を捉えられれば、通信が可能になるわけです。
各周波数帯をNifMoも利用しているNTTドコモの回線で見比べると、それぞれの特徴がさらにわかってきます。
もっとも高周波数の2.1GHz帯(バンド1)は、人口密度が高い都市部を中心に整備され、今後の主流となる周波数帯です。高周波数帯ほど通信容量が多い特性から、大容量のデータでも高速で通信することができます。電波が届く範囲は短いものの、都市部には基地局も多いため、問題ありません。
電波の相互干渉を防ぐ意味では、むしろ都市部には高周波数帯のほうが適しているともいえます。海外製の端末も、大半が対応しています。
LTE限定の1.7GHz帯(バンド3)は、主に東名阪エリアで展開されてきました。2.1GHz帯と併用されることも多く、最高速度は下り最大150Mbps。LTEの高速性を最大限に発揮できる周波数帯ともいえます。同じく1.5GHz帯(バンド21)は地方都市向けに整備されましたが、日本独自の周波数帯なので、海外製端末は多くが未対応です。
「プラチナバンド」や「FOMAプラスエリア」と称される800MHz帯(バンド19/バンド6)や、新たに携帯電話用として認可された700MHz帯(バンド28)は、主に地方で利用されています。通信容量や速度は劣りますが、電波の到達範囲が長く、少ない基地局で広大なエリアをカバーすることができます。NTTドコモの端末や、同じ回線を利用するNifMoが地方から山間部でも安心して使えるのは、800MHz帯の基地局網が日本全国に張り巡らされているからです。
電波が障害物を回り込む形でも届きやすいため、あらゆる場所で幅広く利用できる周波数帯だともいえます。ただ、日本以外ではあまり使われていない周波数帯なので、海外製の端末は未対応な場合も少なくありません。
格安SIMやSIMフリー端末では対応周波数帯(バンド)に要注意!
NifMoをはじめとしたMVNO(格安SIM)を利用する際には、端末が上記の各周波数帯に対応しているかどうかが利便性を左右します。
「MVNOに変えたら速度が低下した」「地方へ行くと電波が入らない」といった意見の大半は、端末の対応周波数帯が減り、拾える電波が変わってしまったことに起因しているのです。
日本独自の1.5GHz帯(バンド21)に未対応な機種が多いのは致し方ありませんが、1.7GHz帯(バンド3)にも未対応だと、2.1GHz帯(バンド1)の大都市圏を離れた場合、いきなり800MHz帯(バンド19/バンド6)にまで通信速度が低下してしまいます。さらに800MHz帯にも未対応だと、「地方では使いものにならない」という事態に陥るわけです。
NifMoのスマホセットにラインナップされているZenFone(ASUS製)、HUAWEI、arrows(富士通製)、SAMURAI KIWAMI(FREETEL製)のように、バンド1、バンド3、バンド19の各周波数帯に対応する端末であれば、そうした心配もないはずです。
ちなみに、800MHz帯バンド6は3G限定の古い規格です。800MHz帯の再編成でバンド19に内包されたため、バンド19対応機種はバンド6にも対応していると思っていいでしょう。