セルスタンバイとは
スマートフォン(スマホ)を使っていると、「バッテリーの減り」は切っても切れない問題のひとつです。不要不急なアプリは終了させたりなど、電池の消費量を節約している人も多いと思います。そうした中、頻繁にアプリを立ち上げたりしているわけでもないのにバッテリーの減りが早い……と感じたことは? 「セルスタンバイ(またはセルスタンバイ問題)」が要因として考えられます。どのような現象・症状なのでしょうか。
セルスタンバイとは?
人によってはあまり聞き慣れない「セルスタンバイ」という言葉ですが、そもそもはAndroidスマホ端末の内部プログラム(プロセス)の1つで、通話回線に未接続の状態を指します。
セルスタンバイ状態になると端末は通話回線に接続するため基地局の検索を行いバッテリーを消費します。そのため、電波が届きにくい場所に端末を放置してしまうことでバッテリーが急速に消費される現象を指して、「セルスタンバイ(またはセルスタンバイ問題)」と呼ぶこともあります。
現象としてのセルスタンバイの多くはAndroidスマホにおける症状ですが、iPhoneでもまったく発生しない……というわけではないようです。
セルスタンバイは、スマホの「設定」から「バッテリー」または「電池」という項目を選ぶことで確認でき、どのぐらいの割合で使用されているかが「%」で表示されます。
(格安SIMで)セルスタンバイが起きる原因は?
セルスタンバイはいずれのスマートフォンにも搭載されているプログラムですが、特にMVNO、つまり格安スマホや格安SIMを使用している場合に発生しやすいと言われています。
理由としては、「データ通信専用のSIMカード」を使用しているケースでセルスタンバイが発生することが多いことから、そのようなサービスをメインで提供しているMVNOを使っていると起きやすい、という誤解が生まれたようです。
携帯電話の通信企画が3G以降になると、データ通信用の回線と音声通話用の回線は別々になりました。MVNOの「データ通信専用のSIMカード」は、その名前の通り通話機能はついていないのですが、端末によってはこの状態を「圏外」と誤認してしまい、決して受信できない通話回線を探し続けるセルスタンバイ状態になってしまうのです。
回線を探す処理はバックグラウンド(※端末の液晶が暗くなり何も操作していない状態のこと)でも行われていますから、セルスタンバイを放置していると電池がどんどん減ってしまいます。
セルスタンバイ問題の解決法&発生させないためには?
データ通信専用のSIMカードの使用がセルスタンバイ問題を引き起こしやすい事態を考えますと、もっともシンプルかつ確実な対策法としては、音声通話とデータ通信の両方を備えたSIMカードに差し替えることではないでしょうか。
そうはいっても音声通話機能は不要……という方なら、データ通信機能専用SIMカードにオプションとしてSMS(ショートメッセージ)機能を付加するという方法もあります。SMSは通話回線を利用しての送受信となるため、SMS機能がついていればセルスタンバイ問題の回避につながります。
たとえば「NifMo」の場合ならSMS機能を付与したSMS対応SIMカードが用意されていて、音声通話対応SIMカードよりもリーズナブルに利用できますので、データ通信をメインに格安SIMを使うというケースにもオススメです。
また電波が届かない、届きにくいような場所に端末を放置しないことも、利用時の対策法として心がけておきたいところ。会議や授業、就寝時など長時間スマホを操作しない場合は、なるべく電波が届きやすい場所に置いておくようにしましょう。
1つのSIMカードでスマホやタブレットほか複数の端末を使っているケースでは、SIMカードを機器から外す際には、携帯電話回線をオフにしてからSIMカードを抜くことが大事です。無効化せずにSIMカードを外すと、セルスタンバイ問題が起きる可能性が高まってしまいます。
機内モードをオンにして端末に電話回線を検出させないようにすることも効果があります。Wi-FiやNFCといった機能がオフになりますが、機内モードを設定したあとで改めて個別に有効にできます。セルスタンバイによるバッテリーの消費を回避しながらWi-FiやBluetoothの利用も可能です。