混雑時における通信調整機能
概要
①トラフィックコントロール装置の導入
通信回線が混雑している場合、データのパケットを効率的に送受信することができず、パケットを何度も再送する状況が発生します。その結果、通信回線全体を流れるパケットの量が増加し、効率的な通信が行いにくくなります。
このたび新たに導入するトラフィックコントロール装置は、データの送受信タイミングや送受信するデータ量を通信回線の混雑状況に応じて柔軟に調整することができます。これにより、パケットの再送トラフィック量を削減し、今までよりも効率的なパケットの送受信が可能になります。
②https通信のペーシング
お客様の利用が集中する混雑時間帯に「https通信のペーシング」を実施します。これは、暗号化通信の一種であるhttps通信が行われる際に、トラフィックコントロール装置によって、お客様のご利用端末(スマートフォンやタブレット端末など)に届くデータパケットを最適なペースにコントロールするものです。https通信は、URLが「https://」で始まるWebサイトを読み込む際などに利用され、YouTubeのような動画配信サービスでもよく用いられています。
https通信で動画視聴など大容量の通信を行う際、Webサーバーからデータパケットを送信しますが、混雑時などにパケット再送が発生し、これによりネットワーク全体を流れるパケット量が増大して通信速度低下の一因となります。しかしトラフィックコントロール装置の「https通信のペーシング」機能を利用すれば、パケットを適切なペースで送出することにより、再送を抑制してネットワーク全体を流れるパケット量を適切に保つことが可能です。これにより、NifMoご利用者全体の通信速度改善に貢献します。
また、一般に動画を視聴する際には、少し先の分まで予めデータをご利用端末側(スマートフォンやタブレット端末など)に読み込んでおく「バッファリング」が行われますが、「https通信のペーシング」ではトラフィックコントロール装置からパケット送信のペースを調整することで、バッファリングデータの量をコントロールし、ご契約の通信容量を有効にご利用いただくことが可能です。
③QUIC通信の流量コントロール
「https通信のペーシング」同様、お客様の利用が集中する混雑時間帯に「QUIC通信の流量コントロール」を適用し、NifMoご利用者全体の通信品質改善を図ります。
参照するデータについては、対象サービスであるか否かの識別をするための必要最低限(UDP/IPヘッダ、ポート番号、通信データ量)のデータであり、識別以外の目的での利用はございません。「QUIC通信の流量コントロール」とは、特定ポート宛(ポート番号443)のUDP通信※1により発生したデータパケットを対象として、トラフィックコントロール装置がそのデータ通信の流量をコントロールします。
[効能について]
- QUICを利用した動画コンテンツの視聴画質が、モバイル通信の混雑状況により、最適な値に調整されることで、混雑時においてより多くのお客様がNifMoを快適に利用できるようになります。
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一般に動画を視聴する際には、少し先の分まで予めデータをご利用端末側(スマートフォンやタブレット端末など)に読み込んでおく「バッファリング」が行われますが、本取り組みではトラフィックコントロール装置がパケット送信のペースを調整することで、必要最低限のバッファリングに留め、ご契約の通信容量を有効にご利用することが可能です。
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ポート番号443のUDP通信には、「QUIC」と呼ばれるUDPを利用したプロトコルが含まれており、動画でよく利用されております。
通信調整機能のイメージ図